浜松ウエルネスフォーラム2025 レポート
- プロジェクトを地域内外に発信するため、「浜松ウエルネスフォーラム2025~「予防・健幸都市 浜松」実現に向けて~」を開催しました。
日時 | 令和 7年 3月 21日(金) 14:00~17:20 |
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場所 | グランドホテル浜松 |
オンライン | 対面ライブ/オンライン配信 |
主催 | 浜松市、(株)時評社 |
内容 | 内閣府による特別講演、経済産業省による基調講演、浜松ウエルネスプロジェクトの紹介 など |
来場者数 |
会場:150名、オンライン:約200名 |
主催者挨拶 | 浜松市長 中野祐介 |
基調講演 |
「ヘルスケア政策の現状と今後の展望」 経済産業省ヘルスケア産業課長 橋本泰輔 氏 |
浜松ウエルネスプロジェクト事業報告 |
「浜松ウエルネスプロジェクト概要説明」 浜松市ウエルネス推進事業本部 副本部長 原川知己 |
浜松ウエルネス・ラボ 活動報告 |
「高齢ドライバーにおける日常の運転行動特性と認知機能の関係性」 「実証以後の取り組みのご紹介」 「重要因子を探す解析手法のご紹介」 「健康ビックデータ等の分析報告」 浜松医科大学健康社会医学講座教授 尾島俊之氏 浜松医科大学健康社会医学講座訪問共同研究員 赤松友梨 氏 |
浜松ウエルネス推進協議会 活動報告 |
「実演:みんなで一緒に!はままつ健幸たいそう」 「SGE♡PJ活動報告~ウエルネスアンバサダーとして出来ること~」 運動部会報告「まちなかウエルネスイベントラリー」 運動部会幹事 合同会社PORTO 代表社員 山岸真智 氏 食部会報告「はままつスマイルベーカリープロジェクト」 食部会幹事 (株)杏林堂薬局健康医療ネットワーク推進部地域医療連携推進室 室長 内山貴雄 氏 |
浜松市事業報告 |
「浜松市民の健康診断等ビックデータ解析・評価」 社会福祉法人聖隷福祉事業団保健事業部 部長 武藤繁貴 氏 |
浜松ウエルネスフォーラム総括 | スタンフォード大学循環器科主任研究員 池野文昭 氏 浜松医科大学産学官連携実施法人(株)はままつ共創リエゾン奏 代表取締役 山本清二 氏 社会福祉法人聖隷福祉事業団理事常務執行役員 福田崇典 氏 |
特別講演 |
「浜松市民がウェルビーイングであるために~最新の創薬事業についての報告~」 内閣府特命担当大臣 城内実 氏 |
浜松ウエルネスフォーラム2025「ウエルネスシティ(予防・健幸都市)」の実現に向けてのポイント
- 浜松市は、大都市別の健康寿命ランキングで常にトップクラスに位置付けられている。加えて、ものづくりのまちという特徴があり産業力のストックも分厚い。こうした強みを生かし、市民が健康で幸せに暮らしていけるまちを目指して「浜松ウエルネスプロジェクト」を推進している。
- 現在、経済産業省が進めているヘルスケア政策には、①健康経営の推進②PHRを活用した新たなサービスの創出③介護・認知症など地域課題への対応④質の高いヘルスケアサービスの創出・振興⑤ヘルスケアベンチャー支援⑥医療・介護・ヘルスケアの国際展開ーの六つがある。
- 日本製鉄では、微生物を使った排水浄化プロセスをもとに、ビッグデータの中から重要因子を探し出すための統計解析手法を開発した。同社は、この解析手法を健康ビッグデータの解析に応用し、「予防・健幸都市」の実現に貢献していきたいとしている。
- 浜松医科大学は、聖隷福祉事業団が持つ健康ビッグデータの分析報告を2020年以来行ってきているが、今回は聴力の進行と生活習慣について分析した。分析の結果、聴力障害の進行の程度が大きかった人たちは、これまでに聴力障害のリスク因子として指摘されてきた喫煙や肥満、過度な飲酒、体重増加、高血圧、糖尿病の治療中の人たちの割合が多いことが分かった。
- 浜松市は子宮頸がん検診受診率、乳がん検診受診率ともに低い状況にあるため、聖隷クリストファー大学の学生たちが主体的に「SGEプロジェクト」を組織している。彼女たちが実際に体験した生の声を通じて、AYA世代に対して子宮頸がんワクチン接種率の向上、子宮頸がん、乳がん検診の受診率向上を目指して啓発活動を行っている。
- 聖隷福祉事業団は、健康診断を受診した約12~14万人の浜松市民を対象に、最近10年間の健康診断とビッグデータを用いて、市民の健康状態を横断的、縦断的に解析してみたところ、総じて2020年を境にどの数値も良くなっていることが分かった。同年は、コロナが流行した年だが、浜松ウエルネスプロジェクトが始まった年でもある。同プロジェクトの効果がデータを通じても表れていると考えられる。
- 政府は、2025年度~29年度にかけて、第3期「健康医療戦略」をスタートさせる。第3期「健康医療戦略」では、「出口志向の研究開発マネジメントの強化」、「創薬エコシステムの構築」、「感染症への対応の充実」などが行われようとしている。