浜松ウエルネスフォーラム2022 レポート
- プロジェクトを地域内外に発信するため、「浜松ウエルネスフォーラム2022~「予防・健幸都市 浜松」実現に向けて~」を開催しました。
日時 |
令和4年3月14日(月) 13:30~18:30 |
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場所 | グランドホテル浜松 |
オンライン | Zoomウェビナー |
主催 | 浜松市、(株)時評社 |
内容 | 小林史明デジタル副大臣兼内閣府副大臣と佐藤啓衆議院議員による基調講演、浜松ウエルネスプロジェクトの紹介 など |
来場者数 | 会場:50名、オンライン:約300名 |
主催者挨拶 | 浜松市長 鈴木 康友 |
基調講演1 | 『デジタル社会実現に向けた構造改革』 デジタル副大臣 兼 内閣府副大臣 小林史明 氏 |
基調講演2 | 『これからの日本社会における地域予防健康づくりの重要性』 参議院議員・自由民主党「明るい社会保障改革推進議員連盟」事務局長 佐藤啓 氏 |
浜松ウエルネス プロジェクト概要説明 |
浜松市健康増進課ウエルネス推進担当課長 鈴木久仁厚 氏 |
浜松ウエルネス・ラボ 事業報告 |
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浜松ウエルネス 推進協議会 |
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浜松ウエルネス プロジェクト総括 |
スタンフォード大学 循環器科主任研究員 池野文昭 氏 国立大学法人 浜松医科大学 理事・副学長 山本清二 氏 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 理事専務執行役員保健事業部長 福田崇典 氏 |
浜松ウエルネスフォーラム2022「予防・健幸都市 浜松」実現に向けてのポイント
- 浜松市は、2021年度から優れた健康経営をされている民間企業や団体を顕彰する「浜松ウエルネスアワード」をスタートさせた。表彰を積極的に行うことで「予防・健幸都市」をさらに啓発、浸透させていきたいと考えている。
- DXを実装すると、それまでのルールや習慣などがデジタル化への大きな障壁になってくることがしばしば起こる。こうした場合、それまでのルールや地域の在り方まで変える必要が出てくるわけだが、行政だけではなく、官民連携で一緒に知恵を絞って行動を起こしていくことが望ましい。
- 「浜松ウエルネスプロジェクト」のように、まちを挙げて包括的に病気の予防・健康づくりに取り組んでいる地方自治体はまだまだ少ない。健康に対する国際的なルールメイキングをわが国が主導するためにも、「浜松ウエルネスプロジェクト」のような地域予防健康づくりと企業の健康経営をいかに浸透させていくかが大きなポイントになってくる。
- ユーモアや笑いが脳や心にいい影響があることは認知はされているものの、臨床試験における裏付けについては、これまで十分に解明されてこなかった。今回の「浜松ウエルネス・ラボ」による研究で、笑いによって脳が活性化し集中力が高まるエビデンス取得につながった。
- ストレス状態を可視化し、客観的に自分の状態を把握できれば、必要に応じて休みを取ったり、脳をダイレクトに活性化する香りを嗅ぐことで、自らの行動変容を促すきっかけにしてもらうことができる。
- 糖尿病になる前の段階で、発症を抑えることが極めて重要なので、血糖が見える化できるデバイス「フリースタイルリブレ」を使ってもらい自発的な食行動の改善サイクルを創り出してもらう実証実験を行った。実証事業の結果、血糖値、体重やBMIなどで大きな改善効果が認められた。
- 口臭を測定できるスマート歯ブラシを活用して、社会実証を行ったところ、8割以上の参加者が「歯科受診をしようと思う」と回答した。口臭の原因となる歯周病を予防するためにはセルフケアだけでは十分でないため、非常に大きな変化だと言える。今回の実証実験は、歯科業界にとっても非常に大きな意味がある。
- 高齢者が自動車の運転を中止する理由として、認知機能の低下が挙げられる。このため、「浜松ウエルネス・ラボ」では、認知機能テストの結果と日常のドライブとの相関関係を検証し、運転行動から認知症を早期に発見する実証実験をスタートさせた。認知症との共生と予防の二つの観点からアプローチが行われている。
- 浜松市では、国民健康保険における課題として、約35%が生活習慣病関連医療費で占められているとのデータもあり、医療費適正化に向けて重症化予防の役割が極めて大きい。この課題解決に向けての実証実験が進められている。
- 浜松市民が、日々の生活の行動変容を行うことで、市民の健康増進が促進され、浜松市は結果として予防健幸都市として歩むことになる。そのためには、ヘルスケアデータを進めて多角的に分析し、データに基づくヘルスケア施策を実践していくことが不可欠になる。